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自然治癒の誤解
動物は動く事が身上です。
怪我をして動けなくなったら致命的で、
飢えて死を待つしかありません。
怪我が早く治り、早く動けるシステムが求められています。
身体は怪我から身を守るため痛みを起こし、
これ以上傷の破壊が進まない様に動きを止めます。
我々人間の祖先も餓死しないため、
より早く痛いものは痛くなくなり、
より早く傷が治るシステムの進化を手に入れ、
より早く動ける最新の進化の恩恵を受け継ぎ、
現在を生きています。
怪我で痛めた傷は手を加えなくても、
時間が経つに従い痛みは徐々になくなり、
動ける様になります。
この働きを“ 自然治癒 ”と呼んでいます。
身体は損傷を受けた筋肉を、
周囲の健常な筋肉で動きから影響を受けなくするため、
そのまま固めて封じ込める事で、痛みから遠ざけています。
これは動くための最良のシステムであり、
身体が元通り復元されている事ではありません。
器械は部品を交換して復元しますが、
動物は、壊れても部品交換ができません。
それを使って動くしかない。
元に戻っていません。復元されていません。
何故なら、筋肉の中には古い傷が残っています。
怪我をしたまま古びて固まった
水分が少ない、いびつ( 歪 )になった傷です。
封じ込められて痛まない筋肉と、他の筋肉の助けを借りて、
元の動きを再現しています。
皆さんは、元通りになっていると誤解しています。
本来治るという事は元通りになる事です。
しかし、動物は元通りになる事はほんの一部を除いてあり得ない事です。
故障した個所は取りあえずそのまま固めて支障が起きない様にして、
他の代用で動きを再現し、動きを確保します。
動きの支援システムは素晴らしいものがあります。
動物は、外から手を入れて身体を治すという事が出来ません。
しかし、人間は知恵と技術によって身体を治すという手立てを手に入れる事が出来ました。
これが医療です。
中心は人の五感です。五感から生まれたものが器械です。
五感が器械を操ります。
今は器械から得るデータが人間の能力をはるかに超える事になっています。
しかし、データを操るのは人間です。
ここがしっかり把握できていなければなりません。
器械の能力に圧倒されて、器械に操られている感があります。
働きの分野が違うと解釈しなければなりません。
体内の正しい把握と最後は人間の五感です。
医療は人間の五感に始まって五感に終わるという事です。