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テニス肘 Ⅱ
【テニス肘 KSさんの場合】
【治療期間】2014年10月26日から11月22日まで
【患者さんの年代・性別】 40歳 男性
【患者さんのご来院エリア】 千葉市 若葉区
【原因】 架装職という職業で、車の付属部品を装備する仕事を
20年程続けていて、長年の腕の酷使で、肘を中心に右腕が、
軽いものも持てない程、痛みで苦しむ。
同業の知人を介して当院を知り、来院する。
【症状の訴え】右肘の痛みがひどく、腕が自由に使えない。
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《治療経過》
10月26日、
うつ伏せになって、背中に手を入れると、
先ず感じた事は、非常にしなやかな筋肉をした方だと思いました。
前にも記載しましたが、柔らかい筋肉は、同じ作業をしても
疲れ方が遅い傾向があり、疲れにくい筋肉だという事です。
でも、その疲れにくい筋肉といえども、凝結はやってきます。
蓄積が多くなり、硬さが強くなれば、筋肉は悲鳴を上げ、痛みに繋がります。
KSさんも例外ではありません。
右肘を中心に肩甲骨から手首、手の甲まで、硬さを持った筋肉がはびこっています。
全く、腕を使う事が出来ない状態です。
腕を動かすポイントを、選択的に狙い、手を入れる。
非常に硬い筋肉のため、痛烈な痛みを伴います。
しかし、これを行う事で、肘の痛みから解放されます。
硬い筋肉を外側から、水分( 組織液 )を呼び込む様に促し、筋肉がそれに反応する様に仕かける。
硬い筋肉に揺さぶりをかける。反応が始まる。
ジワリと表層から動き出す。“ヒクッ、ヒクッ、”と、筋肉が踊り始める。
肘に手を入れて、肩や、前腕部の筋肉が、ビクつく。
KSさんは、この反応を自覚出来ない。
慣れないと、この感覚を拾う事が出来ない。
腕に力が入らず、手が笑うという表現がぴったりな状態で、
自分の手ではない、今まで経験した事がない、異様な感覚が腕を覆う。
右肘だけではなく、手首も強張りがひどく、自由な動きを失っている。
手を入れて、強張りを解く様に仕向け、表層が少し緩んだ所で、
「腕の感覚は、一時間程すると戻ります。」と言って、診療を終える。
帰宅して、右腕が、自分の腕に戻っている事を自覚する。
腕が普通に使える、以前の様な状態に戻り、
重いボトルを持ちあげても痛みは全然来ない。
どう動かしても、工具を持っても、痛くない。
治ってしまった。
27日、
昨日に引き続き、右腕の肘を中心に治療を始める。
何でもなくなった筈の腕が、目の前で、激痛を発している。
治った筈なのに。頭が混乱する。現実はまだ治っていない事を証明している。
右腕の筋肉の表層の緩みが、手を入れるとビクビク、ガタガタ動き始め、
大きく緩み、硬い芯の部分を残して、一気に緩んでしまう。
腕の感覚が、ボーッとして、握りがうまく出来ない程、力が入らない。
まさに腕が笑う状態です。
治療後、彼の筋肉の状態に触れ、
20年のキャリアとは思えない程、
筋肉の反応が敏速で、非常にしなやかな筋肉である事が、
この様な現象を導いている。と話す。
やはり感覚は、一時間程で戻る事を告げる。
経過は順調で、自覚症状は治療直後から全くなくなり、
11月22日現在、芯の殆どがなくなるまで回復している。
芯の緩みは、20年の積み重ねがあるため、急激な変化は望めず、
筋肉の表情を見ながら、時間をかけて取り去りました。
程なく治療は終わります。