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【埼玉県】ゆいゆい整骨院2018.04.26

40代女性 左外反母趾痛の方

2018.04.26

<自覚している症状>

長時間歩いたり、運動後に靴を脱いだ時や寝ている時、座っている時に痛む

 

<他覚症状>

浮き指

 

<施術内容・症状経過>

20年前から足の痛みが気になってはいたものの治療はしなかったそうですが、ここ最近になって痛みが強く出始め、足の変形も進んでいるように感じられたため、治療することに決められたとのことです。

初回の施術後には2日程足首に痛みは残っていたそうですが、テーピング中は母趾に痛みはないとのことでした。

現在は2回目の施術で、痛みの改善に努めています。

【千葉県】長尾施術所(旧 槇之内接骨院)2018.06.13

【<学術論文>肩こり・腰痛を防ぐ自動車運転姿勢】

2018.06.13

公益社団法人 千葉県接骨師会

北総支部 飯嶋 無圓(嘉孝)

はじめに

20歳代の私は、自動車を運転する際、運転操作に意識が向き、身体の負担を気にする事は殆んどなく、安易に座り、その結果、頸部、上背部、上腕部、腰部が強張り、所謂、肩が張り、腰が痛む事がしばしばあったが、自動車は運転が全てで、違和感を持つ事は致し方ないものと、捉えていた。

また、私は小さい頃から、長尾流躰術という、組討、柔を師匠でもある父に師事して修行し、柔道整復師の職業発祥の源である、人の怪我を無血で治す、殺活法も学んだのである。

1970年から1980年頃まで、武術の殺活法からくる、筋矯正術という業を用い、身体の機能回復を図る技術に対し、よき理解を示してくれた医学部教授の下で、筋肉の臨床評価を研究するため、北陸金沢から東京の大学に3,4ヶ月に一度の割で自動車にて上京し、1回の走行キロは1200キロメートルを超えた。その頃の道路は、一般道が主体で、今の様に高速道路網が出来上がっておらず、出来ていたのは東名高速道路と、名神高速道路だけであった。その2本の高速道路を経由し、往路だけでも8時間かかり、高速走行の運転に慣れていない事もあり、スピード感から来る緊張と、運転操作が単調で、身体が固まる傾向があり、頸部、上背部、上腕部、腰部がバリバリに強張り、そのうち痛みも出てくる非常に辛い道中であった。最初の頃は致し方ないと思っていたが、毎回上京するたび強張りの連続で、これでは身体が持たなくなる、どうすれば身体に負担がかからず走行出来るか、運転姿勢に着目する意識を、持たざるを得ない状況に追い込まれた。因みにその頃は、スピード感を増すためか、運転目線を低く持ってゆく傾向があり、そのため、背もたれを寝かせて走る事が多く、今思えば、運転姿勢上は好ましくない状態であった。

10年程かけて、腕の位置はどうすべきか、ハンドルのどこを持つか、身体の位置をどう置くべきか、シート位置、背もたれの角度、姿勢の作り方等、身体にかかる負担をどうすれば少なくできるか、試行錯誤を繰り返し、第1次の研究結果による、運転姿勢の形にたどり着いた。

座るという事が余りにも身近なためか、その頃、運転による身体の侵襲について、考えるという着目はなく、勿論、参考となるものもなく、一つ一つ実践し積み上げて、得られた結果から、これ以上改良する事はなく、もうこれでいいと思い込んでしまったのである。

それから12年程、運転姿勢を気にせず、考案した姿勢で運転していたが、居住地が現在の千葉に変り、1993年頃、自動車で逆に、千葉から地方金沢に里帰りをした時、良好である筈の運転姿勢に、違和感を覚え、姿勢位置が気になり、調整を始め第2次の研究再開となる。この時の研究で、新たに気付かされた事柄が、着席姿勢の改良に大きく寄与する結果となり、やはりこれで良いと確信的に思い込む事が、如何にまずい事かと、改めて考えさせられた。いつも、これでいいか、もっと良い方法はないかと、頭脳を柔軟に、前進的思考を持ち続ける事が、如何に大切か、実感として再認識する事が出来た。

第2次の研究結果を踏まえ、それから運転姿勢研究のため、日常の運転の際は勿論、年に何回かは、運転姿勢研究のための遠出を実施し、運転中はいつも、姿勢を意識する毎日となる。

身体の不定愁訴を取り除く前に、余計な定愁訴を作らない様にする事が、研究命題である。

 

方法

第一次の研究

自家用自動車にて、一般道、高速道路を走行、頸部や上背部、腰部の強張りから、逃れるための要因をチェック、運転姿勢考案へ。

第二次の研究

自家用自動車にて、一般道、高速道路を走行、第一次の研究から、得ている運転姿勢を観察し、頸部や上背部、腰部への違和感に対し、負荷を弱める微調整に主眼を置く。

第二次研究以降、継続的に現在まで

日常、自動車に乗る時が、全て研究の時間となるため、通常は、自家用自動車が対象となる。最初の乗り込みの時に、シートの位置調整を施し、ほぼ毎日走行、考案した運転姿勢を、細かく観察する。漫然と座る事はなく、毎回意識的に運転姿勢をとり、時々、シート位置の微調整を行う。軽自動車も、使用対象としている。また、近年は、飛行機にて移動、現地にてレンタカーを使用し、長時間走行や、長距離の中で、頻繁に乗降を繰り返すコースも選び、実施する。身体機能は勿論であるが、その時々で、シート位置、運転位置、運転姿勢も生きているという事を実感させられたのである。

 

結果

第一次の研究結果

背もたれが寝ていると、頭部を前に起こす動作が、頭頸部に働き、肩甲骨が離れ、躯幹部保持のため脊柱周囲の筋が緊張し、筋の負荷反応が極度に早まり、強張り感が出る。よって、背もたれは極力起こして運転ポジションを作り込む。また腰部は、前弯が望ましい。後弯を避けるため、臀部をシート奥に深く腰掛け、運転姿勢を考案する。

第二次の研究結果

従来の背もたれの角度では、腰部の姿勢維持に不具合を感じ、角度をより起こす方向に修正する。躯幹部が背もたれに寄りかかると、腰部に負担を感じる事が強く意識され、寄りかからず腰部前弯を決めてとった姿勢に、背もたれを添わせ密着させる方が、負担が来ない。その分シートが少し前方に移動する。この方法で走行すると、腰部にかかる負担を意識しなくなる。ただ、腰部が少しずつ後弯し、臀部が前方に滑って姿勢が崩れて来る。これが原因で運転姿勢を乱し、頸部、上背部、腰部に、強張りをもたらす元となっている。そして、運転の積み重ねが堆積負荷硬結(固定的硬さ)を作り、各部位の緊張硬結、疼痛、鈍痛、運動機能障害を発症する。

第二次研究以降、継続的に現在までの結果

運転時の問題点は、走行中の外部変動状況に敏感に反応し、自覚なしに背を丸め、動物的習性ともいえる身構える姿勢をとり、躯幹部をハンドルに引き寄せ、背もたれから離れる事である。運転は、座位姿勢が長くなる事が多いため、躯幹部の頻繁な背もたれからの離反は、脊柱周囲の筋が負荷緊張を受け、前傾姿勢保持に働き、固定化する方向に動く。これが躯幹への負担を大きくし、張りを感じる要素を作る。これらを踏まえ、より良い運転姿勢を考案した。

 

考察

身体の力を抜いてリラックス、という安易な考え方を改め、長時間の座位に耐えられる姿勢を作り出す、という考え方を持つ必要がある。姿勢の不備による小さな負荷は、自覚がなく、何十年も積み重なり堆積負荷硬結となり、脊柱周囲の筋に硬さ、強張り、締め付け感、圧迫感、疼痛等の自覚症状をもたらし、不快な不定愁訴を作り、日常生活の活動に、大きな影響を及ぼす原因を作る。運転姿勢の不備は、これらの愁訴を大きくする。

研究結果から、身体への負荷影響を、極力少なくさせる運転姿勢を考案し、走行中、その姿勢を保持して運転すると、頸部、上背部、腰部への負荷が、極端に少なくなる事が明らかとなる。繰り返し何度も実施するが、長距離走行でも、今まで頸部や腰部に起きた強張りや疼痛が、全くと言ってよい程感じなくなり、創意工夫を重ね考案した運転姿勢は、身体の負担軽減に、格段の効果を上げたと考える。

ただ逃れられない問題点にぶつかる。結果の所で触れたが、背を丸めて前傾姿勢になる事と、腰部の後弯が起きる事である。この二つは、それぞれ単独で動く事もあれば、連動する事もあり、現時点では、防ぐ事が出来ない事柄と捉えている。

上半身の動作が主体の作業は、どうしても前傾姿勢となり、頭部と頸部、上背部を支える筋肉の負担が、緊張と強張りを起し、継続時間が長くなれば、筋肉はより固くなる。

先祖の四足歩行動時代の運動習性が、身体に残っていて、無意識の行動は、反射的に背部から腰部を、丸くかがめる姿勢をとる。素早い動きの時程、瞬発力を必要とするため、かがむ姿勢が強くなる。この様な習性、動きが反映し、未だに逃れられないと考えている。また精神的に緊張すると、同様に肩甲骨が背もたれから離れる傾向がある。二足歩行の脊柱起立姿勢は、腰部が前弯でなければ、バランスが取れない。起立姿勢は、今後も進化してゆく途上で、動きは、未だ四足行動時代の習性が強く残る、混合状態と受け止める方が、納得できるかと思われる。上肢のハンドル動作は、走行時のあらゆる緩急の変化に、自在に対応する事が求められる。変化に即応するには、腕の瞬発が大切であり、それには、肘関節が軽度屈曲位でなければ、腕に力が入らない。腕に強い力が入る、その人固有の肘関節の角度がある。肘関節を軽度屈曲位に保持するには、角度を決め、シートを前方に進め、寄りかからなくても姿勢が保てる様、背もたれも、躯幹部の姿勢に合わせ、肩甲骨下角を密着させる様に起す。運転操作をする上肢も、肩甲骨下角の密着は、作業起点として安定的に保持できる。同時に躯幹部の安定も、確保できる。

研究中、何時も問題となる腰部後弯は、運転操作中に必ず起こる現象で、少しずつ臀部坐骨が前方に滑り出し、腰部前弯保持の観点からは、防ぐ事が困難な動きで、躯幹部の前傾と連動する事が非常に多い。腰部後弯が、通常の作業姿勢であり、腰部の前弯曲は、その動きに相反する形状となる事から、保持が難しい。気が付くと後弯になっており、運転途中、何度も臀部坐骨をシート角に突き立て、腰部前弯に修正し、腰部の負担を少なくする様心掛ける。臀部は現状、常に前方に出ようとしてずれて来るものと受け止める方が現実的と考える。腰部前弯が崩れた時から、脊柱保持機構にスイッチが入り、筋の保持活動が働き出す。

安定姿勢を取らせるための、様々な工夫を凝らすこれらの対処方法は、特に頸部、腰部にかかる負担を軽減する。即ち、姿勢を支え保持する担当筋を、極力働かせない事に尽きる。筋肉の負荷で、一番自覚しない動きは、少し収縮を働かせた状態で、筋運動のストロークを持たず、身体を支え、保持する等尺性収縮で、継続時間が長くなると、身体を辛く感じさせる事に、繋がっていく。

腰部後弯と躯幹部前傾による負荷は、走行途中、乗降の繰り返しが多ければ、負荷蓄積が少なく、運転姿勢をリセットさせる事に大いに役立ち、姿勢意識への配慮を頻繁に出来る、大きなメリットとなると捉えている。

座る事の注意点として、運転姿勢を作り、腰部前弯の形を意識的に残し、脊柱周囲の筋の緊張を解き、脱力する。具体的には、臀部坐骨結節から前方の坐骨枝、大腿上部で座る事が大切だと考える。そうする事で、仙骨部の前傾が自然に出来る事になる。

 

まとめ

中間報告として、これまでの結果から、現段階での、考案した運転姿勢のまとめを、記載する。

運転時の着席姿勢は、

1、先ず、運転席に取り敢えず座り、アクセル、ブレーキペダルが、余裕を持って踏み込める様に、前後のシート位置調整を行う。

2、次に、座りの調整をする。着席は、座席に臀部で座らず、坐骨枝と大腿上部で座る意識で、臀部(正確には坐骨結節)を背もたれの下端部から、シート角に向かい滑らせ、角奥に差し込む。(図1)

 

1-3

3、腰部の姿勢は、仙骨部が前方に傾く位置で、恥骨結合部がシートに近づく様に、腰部前弯を作り、坐骨枝と大腿上部で座る。(図2)

 

1-2

4、膝関節軽度屈曲位で、アクセル、ブレーキペダルが、余裕を持って踏み込める様に、再度、前後のシート位置調整を行う。

5、ハンドルを持つ上肢は、肘関節軽度屈曲位で、手は、ハンドルの最上端をしっかり握れる事。

6、5の状態を保持し、両肩甲骨下角を、背もたれがしっかり支える様に、背もたれを起こしながら、完全に密着させる。(躯幹部を預けるというより、その姿勢に背もたれを添わせ、密着させる)

7、腰部前弯を決めた姿勢で、背筋を伸ばし、脊柱周囲の筋緊張を解き、脱力する。

8、肩甲骨を、背もたれから離す事なく、運転操作が出来る事。(脊柱起立筋を極力活躍させない)

意識して腰部前弯を保持する事が、大きなポイント、決め手と考える。

 

おわりに

何事につけ、人が生きるという事は、少なからず身を削って生きているという事で、避けようのない事実である。精神的、肉体的、様々な負荷影響の中で、少し努力する事で、一つでも負担を軽くする事は、将来に向けて大切な事と考える。

身体に極力負担のかからない、運転姿勢を考案したが、自動車に乗る度に起きる、躯幹部の前傾と腰部後弯は、現時点では克服できない事柄で、常に修正する意識を持ち、自動車を運転する際は、身体に不定愁訴を作らず、健康を損ねない様にする事が、肝要かと思われる。少しでも快適な日々を過ごす一助となればと、願うものである。

【千葉県】長尾施術所(旧 槇之内接骨院)2018.06.12

【筋肉を読む】

2018.06.12

筋肉を読む

その実践的体験論

公益社団法人 千葉県柔道整復師会

北総支部  飯嶋 嘉孝

 

【 はじめに 】

徒手診療術の、按摩術、指圧術、鍼術、灸術などは、東洋医学の考え方を基本として診療が行われている。そして、東洋医学思想を離れて考えられない事も事実である。徒手診療のいろいろな書物を見ても、経穴、経絡は、診療上、もっとも有効に働くものと捉えている。しかし、私が学んだ当時の柔道整復師養成校のカリキュラムでは、西洋医学のみの考え方で教育され、東洋医学的な科目の教育は行われてはいなかった。徒手診療術を行うに当たっては、一応、東洋医学の考え方も心得ておかねばならないのではないかと考える。

整骨院で助手として臨床的柔道整復学を学び養成校へ通い、その間に東洋医学的考え方が、怪我や運動機能に支障を来たす傷病疾患の回復には必要不可欠な存在ではないかと考え、東洋医学書を読み、東洋医学理論、陰陽五行説、経穴学、経絡治療学など、解らないながらも必死に取り組んだ。東洋医学は、西洋医学的思考では全く理解できない論理で、最初は戸惑いを感じながらそれでもひたすらその論法を信じ、結果的に東洋思想を背景にいろいろな東洋医学医療の体験的学問の集大成である事が理解できたのである。しかし、筋肉そのものの臨床的捉え方や、機能的変化、筋損傷という考え方については何も触れていない様で、東洋医学の中にも筋肉の臨床的考え方はないという事を知り、日本の古武術の怪我という捉え方の独自性には改めて敬服したのである。

これらの経緯を踏まえ、実際診療では筋肉に対する考え方や臨床的評価、損傷と筋肉との因果関係、筋肉をどう捉えどう診るか、感覚から捉えた筋肉の臨床的考察を述べる。

 

【 筋肉に対する考え方 】

一度は経験したかと思うが、体力測定の懸垂は、最初は軽快に行えるが回数を重ねるに従い筋肉が強張りそのうちに筋肉が動かせなくなる。少し休息を与えてから動かすとまた元の動きを取り戻し、活発に動く。所謂、急性の筋肉疲労現象である。

“筋肉は休息を与えれば、回復する”

こうした現象が拡大解釈されて、“筋肉は何もしなくても元に戻る”“放置していても治る”という強烈な印象を植え付けられ、筋肉に対する気遣いの意識は遠ざけられたのではないかと考えている。

臨床的に筋肉の変化を捉える考え方は、怪我で損傷を受け腫れた関節周囲の診察治療中、筋肉に触れ浮腫とは別に損傷部の筋肉そのものが分厚く肥厚し骨から遊離している様に感じ、筋肉自体の感触も異なり雑音めいた響きの感覚があった。古武術からの伝法はこの感触を怪我による感触と説く。この感触が発端となり傷を治すには、この筋肉を元の張り付いて引き締まり雑音めいた響きのない状態に修復する事が大切ではないかと考え、この考え方が筋肉を筋肉固有の存在として捉え、次第に損傷を受けた筋肉に目を向ける様になる。古武術の伝法では、骨に張り付ける様に仕向けるとの教えがある。冒頭に東洋医学は必須の考え方と捉えていると記したが、東洋医学的考え方でも、筋肉の硬結という考え方はあるものの、その硬結の変化そのものに目が向けられてはいないのである。殆んど経絡と経穴に頼り、筋肉はその場所を特定する存在でしかない。

また、臨床的柔道整復学の捻挫にしても、関節の筋肉や靭帯が悪いと言うが、実際は漠然と関節周囲の痛むところが悪いと考え、内部の状態を把握できずに済ましている事が殆どである。

具体的にどこの筋肉、靭帯が、どうなっているのかはっきり指摘する事は余りない。

教科書の捻挫の治療法として、

“患部を安静にして、湿布、固定する。患部が少し落ち着いたら軽度のマッサージから開始する。”

私が学んだ事はこれだけである。筋肉の臨床論的なものは皆無である。具体的に何処がどうなっていて、何処をどうすれば治癒に導く事が出来るのか、どうなれば治癒なのか、全く触れてはいない。ただ盲目的に患部に対しマッサージ的手法を取り触っているだけの行為である。

これらの事から、臨床的柔道整復学、東洋医学共に筋肉を守備範囲として接するが、筋肉そのものに目を向けていないという事に気付かされたのである。

実際、筋肉の表情を追いかけると、筋損傷の傷や、傷を保護するため周囲を固める筋肉や、負荷の蓄積で硬く柔軟性をなくした筋肉は厳然として存在し、身体の運動機能に悪影響を及ぼしている。そして、これらの筋肉は、生理的な自力での修復、回復は起こり得ず不可能と考えている。根拠は、過去に筋損傷や筋肉負荷蓄積の経緯があれば、触診( 感察 )で筋肉の表情を捉え、おおよその経過年数を推測する事が出来る。筋肉を表情で捉え、経過年数の推測が成り立つという事は、結果的に、その部位に回復しない筋損傷や筋肉負荷蓄積が経年変化をしながら、そのまま残っていると考える事が順当かと思われる。

“適切な治療と修復回復治癒がなければ、筋肉に過去は存在するのである。”

筋肉の臨床的考え方は、専門書と思われる本にも書かれておらず、誰も答えてくれず、何処を探しても見つからず、参考になるものもなく、臨床的に筋肉がどうなるかについて論じたものが全くない。筋肉の捉え方の拠り所は、元々武術で会得した筋肉に対する考え方と感覚を基に、臨床で筋肉を捉える感覚を繰り返し修練し、実践感覚を鋭く養い筋肉の性状を一つ一つ積み重ね、普遍的な捉え方が確立し、多岐に亘る筋肉の表情を読み取る事が可能となり、最終的に筋肉の発する情報に導かれて臨床評価を構築して来たと考えている。

 

【 筋肉の臨床的評価 】

〔 凝結 〕

筋肉に負荷をかけ収縮を繰り返すと疲労して硬くなる。疲れた筋肉は休める事で元のしなやかな筋肉に回復するが、これを繰り返す事で疲労の回復後も、筋肉の中には硬さが微妙に残る。この硬さをいう。

〔 堆積負荷凝結 〕

負荷を受けた筋肉は凝結因子が微妙に残り、経年的な長時間の蓄積で柔軟な筋肉は、徐々に凝結し少しずつ硬さを増しながら身体各部位、全身に広がってゆく。

[ 感察 ]

身体表面上から、触診にて皮下内部の変化を探査し、軟部組織の傷病疾患の状態、筋損傷の度合い、筋凝結の性状などを察知推類する事とする。

持続的微弱性筋緊張負荷(毎日同じ動作や同じ姿勢を保つ事で、強張りが来る)による筋肉の凝結度や経年変化、疲労性凝結の累積経年変化(長期間、同じ姿勢で毎日仕事をする)、筋損傷の程度から経年変化による段階的陳旧度など、筋肉の表情を指先で察知し、身体各部位への影響度も判別(筋損傷部と筋凝結部が相互に影響し、また、筋損傷の傷が受傷部以外に、波及的に及ぼす影響もある)。

[ 感療 ]

感察と治療を同時進行で行う。

[ 筋損傷 ]

怪我の類は通常部位を特定しその周囲との兼ね合いを診ながら診療を進めるが、患部の損傷を克明に観察しなければ損傷評価判定( 医師は、診断という。)は出来ない。捻挫の場合、関節の何処がどうなっているか、骨と関節周囲に張り付いている筋肉や靭帯その周囲の結合組織などの状態を感察し見極めなければならない。感察で関節の損傷ヵ所をはっきり特定できる。損傷ヵ所は筋肉や靭帯などが遊離し、通常の触感とはかけ離れた水分を多量に含み、ブカブカ、グツグツした感触で、健常部とは明らかに異なる状況である。程度により遊離の度合いや、浮腫、腫脹、局所感が異なる。時には関節包の損傷も視野に入れ、施術方針や治癒見込みを立てる。

[ 傷を保護するため周囲を固める筋肉 ]

人間の身体を守る自己防衛本能は、常に現状から生きる営みに都合の良い身体環境を整えようと仕組まれている様である。動かないものは徐々に動く様に、痛いものは痛くない様に働いてゆく。損傷した筋肉もまた同様に、運動機能に対応が困難で、熱感、腫脹、疼痛、運動機能障害、という形をとり損傷部位を守ろうとする。健常な周囲の筋肉は損傷部位の傷を疼痛や運動機能などからこれ以上の破損を防ぐ様に保護し始める。その動きが時間の経過と共に緊張とは異なる硬さの凝結となり、一見怪我が治癒したかの如き状態を作る。しかし、関節過負荷時、怪我を再現するかの様な症状が出て来る。これは鎮静化していた傷の存在と、損傷部位が修復されず平静を保っていた事に他ならない。傷は修復されない限り、患部の不安定感は拭い去れない。勿論、治癒とはならない。

また、筋損傷を受け、筋の修復をせず放置すると、傷周囲の筋肉が傷を保護し取り巻く様に、傷を固める動きが出る。その筋肉が次第に硬く厚く周囲を固める。時間の経過と共に、自覚症状も落ち着き、修復されない傷の周囲が固められ安定方向に向う。時間の経過は、傷の回復を齎す事はなく、経年的変化をたどり、傷自体は破損したまま次第に潤いを失い、硬い筋状のコリコリした感触に移行してゆく。傷の感触から、おおよそ経過年数を特定できる。

[ 負荷の蓄積で硬く柔軟性をなくした筋肉 ( 堆積負荷凝結 ) ]

人間は四足構造の骨格を持つ動物である。後足で立ち上がり、前足( 手 )でいろいろなものを生み出し、多彩な活動を手に入れた。その結果、身体を長軸で支える作業が必要となり、頸肩部、背部、腰部の筋肉が主体となり、上半身を結果的に吊り上げる作業を強いられる状況が作られた。筋肉は表面何事もないかの如く、活動の自覚はないが、筋肉自体は、水面下で強烈な力が働いている。常に拮抗を保持し、身体全体の機能バランスを保つという事は、想像を遥かに超える活動状態である。人間は一歳で立ち上がり、基本的には死ぬまでこの作業が延々と続くのである。その間、主として背側部の筋は働き尽くめである。その結果筋肉には活動負荷が蓄積し、身体の柔軟性を徐々になくし特に関節周囲への影響が大きいが、筋凝結として硬さを増し徐々に筋肉を堆積負荷凝結へと導き、そして無自覚の内に身体全体が強張り感のない、関節可動領域の少ない身体に硬化して行くのである。日常的に活動負荷が蓄積する所以は、此処にある。

堆積負荷凝結の程度が進行するに従い、硬さが過負荷に反応し重苦しさや自発痛を引き起こす。堆積負荷硬結上に過負荷が相乗し引き起こす症状である。堆積負荷凝結は怪我を誘発する大きな原因となる事もある。

 

【 診療内容の捉え方 】

堆積負荷凝結を我々はどう取り組むかであるが、徒手診療術の、按摩術、マッサージ術、指圧術、鍼術、灸術と柔道整復術の定義的差異ははっきりしているが、実際の診療の中では、オーバーラップする考え方があり、線引きが難しいのが実情である。堆積負荷凝結に対するこの診かた、行為を慰安的範疇として受け止めるならば、診療に際して筋肉の臨床的考え方、疾患内容を正しく把握、理解していないのではないかと考える。しかし、慰安的行為を軽んずるつもりはない。

我々の業務は、柔道整復業として損傷部位の修復、本復が本来の業務と考えるが、先にも述べた通り、運動機能全般を受け持つ筋肉は、長期間の機能維持に当たり負荷の積み重ねから、機能バランスの狂い、身体の偏重、不調を来たしている事が多く、損傷疾患の前に腰痛に代表される様に、はっきり原因の掴めない苦痛を強いられている。日常負荷の累積が堆積負荷凝結となり、さらに日常負荷、過負荷が追い討ちを掛け、疼痛や重苦しい鈍痛、運動機能制限で可動領域が狭められている。これも我々柔道整復師が、本来業務に密接に関係する診療領域としてしっかり受け持つ必要があろうかと考えている。

通常、成人の怪我を診察する場合は、堆積負荷凝結の存在とその影響を受けている事は、何時も考慮して置かなければならないと考えている。新鮮損傷部位の傷の修復といえども、少なからず堆積負荷凝結は関与する。この堆積負荷凝結が、身体の動作環境を緩慢に仕向け、怪我を誘発する元となる事も経験からはっきりした事実と捉えている。関節主体の傷病疾患が主とは言うものの、身体の何処でも筋損傷は起きる可能性がある。身体を元通りに回復させるには、これまで一緒に活動していた周囲に潜む堆積負荷凝結の筋群が個々の筋肉作用ではなく、経作用として大きく関与する事は紛れもない事実であり、損傷修復に平行してこの凝結を解いて行く事も、損傷回復には避けて通れない重要な事象である。身体全体からすると、むしろ堆積負荷凝結を解く事の方が、影響力が大きい事もある。決してあなどる事は出来ない大切な事と考えている。人間の身体は、全体で一個である。

この様な観点から、慰安目的ではない損傷修復の一貫として捉えてゆく事が大切であり、筋肉診療を柔道整復師の独立業務とする考え方を貫き通すならば、堆積負荷凝結を元のしなやかな筋肉に復活させる事をも、柔道整復師の業務としてしっかり取り組む必要があろう。国民の望む、身体的苦痛を取り除く業務を行う事にためらってはならない。自ら業務範囲を狭める事は愚かな考え方といえる。

ひとつの例として

腰部筋損傷( 俗にいうぎっくり腰 )

腰部の筋、棘筋、最長筋、腰腸肋筋、例えば、腰腸肋筋の外側寄り筋表層から一センチほどの深さで、第三腰椎の位置、にその時受傷したと思われる新鮮な傷を確認する。受傷の幅が7~8ミリ程度で、長さが70ミリ、深さが6ミリ程と思われる。損傷の程度は、傷の感触から破壊度が強く修復には相当の時間を要する。但し、疼痛、機能回復、所謂自覚症状がなくなり原状復帰は、4~5日程度かと思われる。通常はこのレベルで治療は中止される。しかし、傷の修復自体は時間を要し傷はまだ残る。

本来は、傷の感触が消える事で治癒とする。損傷部位の傷を完全に修復するには30日から40日程度を要する。

 

腰部の筋群が瞬時の動きに対して瞬間収縮反応を起こし、その瞬間負荷に対応が間に合わず、また力に対抗できず自損を起こし、筋繊維が破損し筋肉内に傷を負う。破損した筋肉自体が瞬間負荷に対応しきれないという事は、硬くなった筋肉は機敏な動きに対応出来ず、身体全体の柔軟性もなくなり、瞬間収縮の力に負け筋繊維が破損すると考えている。

腰部の筋損傷は、筋肉の環境が堆積負荷凝結、つまり負荷の蓄積した筋肉に発生する事が殆どで、日常生活、労働環境、筋肉の性質などの要素が拘わり、様々な発症をする。また、過去に筋損傷の経験があれば、過去の傷の再発や古傷から影響されての新たな損傷として傷の範囲を拡大していく。

解剖学的に診ると腰部の棘筋、最長筋、腸肋筋( 腰腸肋筋 )の脊柱起立筋、時に多裂筋、仙骨部の最長筋( 仙棘筋腱膜 )、多裂筋当りが損傷を引き起こし、長回旋筋や、短回旋筋、横突間筋、棘間筋、各筋周囲の結合組織、靭帯などが、堆積負荷凝結として腰部を固めて行く事になろうかと思われる。勿論、棘筋、最長筋、腸肋筋( 胸腸肋筋、腰腸肋筋 )の脊柱起立筋なども、累積負荷が高じて来ると堆積負荷凝結へと変化して行く事になる。

 

【 結果 】

縷々述べて来たが、

1.臨床的に筋肉を捉える考え方は現在の医療分野にはないと考えている。

2.筋肉の客観的な臨床評価が望ましいが、現状では、科学が追随していないため、捉え

る事が難しい。

3.徒手施術を得意とする我々柔道整復師が、筋損傷分野を確固たるものにする。

4.筋肉の診療をも我々柔道整復師が通常業務として取り組み、凌駕しなければならな

い。

【 結論 】

われわれの診療領域である、骨折、脱臼、捻挫、打撲、特に、骨折、脱臼については、不確かではあるが、昭和40年代頃までは、事実上、柔道整復師的療法に対してまだ緩やかであったかと思われるが、非観血整復領域では今の整形外科的療法とは一味違う手法で、社会復帰を考えると先輩諸師は、遥かに優れた技術を持っていたと考えている。今は、技術的には兎も角、科学的診療の説得力と診療制限が厳しく、なかなか力量が発揮出来ず特技が消滅しかねないもどかしさがある。如何ともし難い状況と言える。

今後、我々の存在は、望まれる医療、治す医療に取り組み、国民、県民の保健維持向上のため負託を受けた柔道整復業の中で、軟部損傷治癒を目指し、怪我に類する筋肉系の損傷も含めた、捻挫、打撲の分野で、実力を遺憾なく発揮する。そのため、筋肉に代表される軟部組織の臨床的動態をしっかり掴み、そこから発する身体情報を的確に把握し、その身体情報に即した治療技術を施し、国民、県民からより信頼され、期待に応える医療集団とならねばならない。

【 おわりに 】

治療対象の筋肉の存在は、西洋医学の解剖学的捉え方をせざるを得ないが、基本的には東洋医学的な考え方、診かた、術式を取る。傷病発生時は、筋肉の一部に異変を起こす事が多く、固有筋全体が負荷凝結や筋損傷を起すとは限らない。時には幾つもの固有筋にまたがり異変を起こす事もある。臨床的に個々の筋肉作用ではなく、経作用として機能すると考え、解剖学的な筋存在の捉え方だけでは少し危険で、傷病治療を見失いかねない。また、経絡的考え方だけでも走行が異なる事もあり、必ず感察で探査すべきかと考える。参考文献の解剖学の書籍を見て改めて感じた次第である。

 

【 参考文献 】

臨床柔道整復実技と理論 著者 池添誠祐 池添整復術研修グループ出版部

図解 鍼灸実用経穴学 著者 本間祥白 医道の日本社

経絡と経穴人形( 針灸経穴奇穴人体模型 ) 上海嘉定江橋幸福模型廠製造

針灸学 編 上海中医学院 人民衛生出版社

グラント解剖学図譜 第3版 原書第8版 訳 森田 茂・楠 豊和 医学書院

ネッター解剖学アトラス 原書第3版 訳 相磯 貞和 南江堂

人体系統解剖学 著者 吉川 文雄  南山堂

【神奈川県】Chillin' ~ チリン ~2018.06.11

自律神経を整えましょう

2018.06.11

こんにちは!
今日は涼しいですね。
暑いより寒い方が好きの森田です。
明日は30度になるそうですよ。
ひょえ~~~~~!!!

気温差が激しいと、自律神経も乱れやすくなります。

自律神経とは!
脳・脊髄から枝分かれし、全身に広がる神経で、
自分の意思と関係なく働いています。

心身を緊張、興奮させる「交感神経」と、
リラックスさせる「副交感神経」があり、
この二つのバランスが崩れると、
自律神経の乱れとなります。

原因は、ストレスや生活習慣の乱れなどです。

では、整えるためにどうすればいいのでしょうか!

ブログ画像
ストレッチや、ウォーキングや、
そして深呼吸。
息を吐くことを意識して、息を長く吐きましょう。
そうすると、交感神経優位状態から、
副交感神経優位の状態に自然と切り替わります。

マッサージも効果的ですので、
ぜひチリンへいらして、自律神経を整えましょう!
皆様のご来店を心よりお待ちしております♪

——————————
【 6月11日(月) 担当Staff 】
雨谷
森田 ~17時

横浜 ヘッドマッサージ 整体
アロマトリートメント 足つぼ 【Chillin’】

045-309-8941
———————————

【東京都】人形町クローバーカイロプラクティック 2018.06.10

捻挫後「様子を見て!」一年、続く足首痛もしっかり改善!部活が楽しみ!

2018.06.10

「捻挫した足首がいまだに痛い・・・」と悲痛な訴えのAさん、人形町にお住まいです。

 

クローバーでは珍しい中学生の患者様です。Aさんが捻挫をしたというのはかれこれ一年も

前のこと、遊んでいる時に右足首を傷めてからその痛みが現在も続いているのだそうです。

 

常にではないけれど運動をすると痛むため、中学生になり部活を始めたこともあってこれを期に

きちんと治しておきたいと来院されました。当時、ケガの直後に病院で診てもらったものの

レントゲン検査では特に問題無く、「様子を見て」とシップを貰っただけだったそうです。

 

 

早速、足首のチェックをしますと・・・大分、固くなっている状態です。痛みを避けるように生活を

していたことと、緩んだ靭帯の影響でアライメント(本来あるべき構造)も狂っています。

クセが強いので少しお時間をくださいね。動きがついてくれば痛みも減ってきますから、今から

しっかりとケアしていきましょうね。

 

 

それから、これは別件ですが・・・姿勢も大分悪いのでそちらもいっしょに治していきましょうね!

 

 

人形町クローバーカイロプラクティック

103-0013 東京都中央区日本橋人形町3丁目313 cicビル2

TEL 03-6667-8678

受付時間 10:001400 16002000(土日祝も通常受付)

最寄り駅 都営浅草線/東京メトロ日比谷線 人形町駅: 「A5」出口より右側「日本橋」方面に徒歩2分

東京メトロ半蔵門線 水天宮前駅:徒歩6分

カイロプラクティック(全身の骨格矯正)、産後骨盤矯正ダイエット、安産矯正がご好評を頂いています。

腰痛、肩こり、頭痛、猫背、背中の痛み、股関節や膝などの関節の痛み、産後のスタイルや体重の回復、育児による疲れや腱鞘炎、妊娠中の体の不調、産後の速やかな回復のご希望などお気軽にご相談ください。

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