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先生日記

2018.11.05

腰痛を考える

腰痛の分類

a,筋筋膜性腰痛

1)疲労性腰痛

2)筋筋膜自体の損傷による腰痛

3)筋緊張による腰痛

b,脊椎性腰痛

1)椎間関節性腰痛

2)変形性腰椎症

3)腰椎分離症、すべり症

4)骨粗鬆症(圧迫骨折)

5)腰椎椎間板ヘルニア(腰椎椎間板症)

c,その他

悪性腫瘍骨転移、内臓性腰痛、心因性腰痛、股関節痛など

〇筋筋膜性腰痛

腰痛症の中で、筋・筋膜性腰痛症が多くの割合を占めています。

筋膜性腰痛症の症状は動作時痛が主体なので、安静をとると軽減します。

腰背筋膜は腰部全体を覆っているので、痛みの部位も骨盤の両脇から、仙骨、背部にいたるまで、さまざまです。

筋・筋膜性腰痛症は筋疲労や姿勢異常が原因となります.

椎間板変性や変形性脊椎症、腰椎分離・すべり症、骨粗しょう症などの原疾患が基盤にあり、二次的に筋・筋膜性腰痛症を起こしている例も少なくありません。

筋・筋膜性腰痛症は除外診断的な要素が多く、腰椎椎間板ヘルニアや分離症を否定しておく必要があります。

足のしびれや、筋力低下、坐骨神経痛があれば、MRIなどで他疾患を疑う必要があります。

筋・筋膜性腰痛症であれば治療はリハビリや薬物療法その他保存療法が主体となります。再発傾向の強い方は原因の精査と治療が必要です。

〇椎間板ヘルニア

腰や臀部が痛み、下肢にしびれや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなります。

椎間板は線維輪(せんいりん)と髄核(ずいかく)でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしています。

その一部が出てきて神経を圧迫し症状が出ます。

加齢などにより椎間板が変性し断裂して起こりますが、悪い姿勢での動作や作業、喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。

痛みが強い時期には、安静を心がけ、コルセットや腰サポーターをつけたりします。

また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロックを行い、痛みをやわらげます。

腰を温めるのも効果的です。痛みが軽くなれば牽引(けんいん)や運動療法を行うこともあります。

これらの方法でよくならない場合や下肢の脱力、排尿障害があるときには手術をお勧めすることがあります。最近では内視鏡を使った手術も広く行われるようになってきました。

〇脊柱管狭窄症

この病気では長い距離を続けて歩くことができません。

もっとも特徴的な症状は、歩行と休息を繰り返す間歇性跛行です。

腰部脊柱管狭窄症では腰痛はあまり強くなく、安静にしている時にはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、太ももや膝から下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。

すこし前屈みになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。

加齢や背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。

脊柱管は背骨、椎間板などに囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管が狭くなり、それによって神経が圧迫され、血流が低下し脊柱管狭窄症が発症します。

椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多いようす。

日常生活上の注意としては、姿勢を正しく保つ事が必要です。神経の圧迫は腰をまっすぐに伸ばして立つと強くなり、前屈みになるとやわらぎますので、歩く時には杖をついたりして腰を少し屈めるようにすると楽に歩けます。

また、自転車でのトレーニングも痛みが起こりにくいので、よい運動になります。

治療としてはリハビリテーション、コルセット、神経ブロックや脊髄の神経の血行を良くする薬などがあります。これらで症状が改善することもあります。

しかし、歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合には手術を行うこともあります。また両足に症状が出ている場合には、改善することが少ないので手術を行う場合が多いわけです。最近は内視鏡を使った手術も行われています。

〇腰椎分離症

腰痛の場合と、お尻や太ももの痛みを出す場合があります。

痛みは腰椎を後ろにそらせた時に強くなります。多くは体が柔らかい若い時期に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。
外傷のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返し、疲労の蓄積などから起こります。

分離症が原因となり、その後腰椎の位置がずれ、分離すべり症に進行していく場合があります。

分離症があっても強い痛みや日常生活の障害なく生活できる場合が大部分です。腹筋・背筋を強化して、一般的な腰痛予防を心がけましょう。
日常生活や仕事に支障が生じれば、神経の圧迫を除去する手術が行われます。

〇変形性腰椎症

椎間板が傷み、厚みが減り、椎間板に接した椎体が骨硬化し、前後に骨棘ができます。後方にある左右の椎間関節も傷んできます。

変形性腰椎症が高じて、脊柱管が狭くなった状態が、腰部脊柱管狭窄症です。腰痛だけでなく、脚のしびれや痛みがでてきたら、この腰部脊柱管狭窄症を考えます。

椎間板だけが傷んでいてそこから痛みがでる場合は腰椎椎間板症、傷んだ椎間板が何かのきっかけで膨らんだり飛び出したりして神経を圧迫して脚の痛みがでる状態を椎間板ヘルニアと呼んでいます。

内服薬は消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などを含んだ外用薬、温熱療法などの理学療法などが中心です。また、痛みが強い部位への注射や神経ブロックなどを行うこともあります。痛みは安静で治ることも多く、手術を必要とすることはありません。
〇骨訴訟症

骨粗鬆症は、痛みが発生しないものが大半です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、背骨、手首の骨などです。

骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。

骨の絶対量が減少した状態であり、老人性骨粗鬆症が最も多く、閉経後の女性に多く見られます。高齢者が軽く尻もちをついただけで強い腰痛を訴えた場合は、骨粗鬆症を起因とした脊椎の圧迫骨折が疑われ、股関節を痛がる場合は、大腿骨の頸部骨折(けいぶこっせつ)が疑われます。

内服薬や注射(副甲状腺ホルモン)などによる治療を行います。骨折した場合は、それに応じた治療が必要です。閉経後の女性には、整形外科医の定期的な検診をお勧めします。

いずれの腰痛症の痛みに対しも鍼灸治療が効果的に症状の軽減に作用することが多く、保存療法の選択においては一考に値する治療方法と思われます。

※当サイトで紹介している効果・効能については個人差のあるものであり、必ずしもそれを保証するものではありません。
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