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先天性股関節脱臼
こんにちは。
はる整骨院 院長 相馬です。
先天性股関節脱臼とは、産まれたばかりの赤ちゃんの股関節が脱臼している状態になります。先天性股関節脱臼は、女児に多い症状です。
股関節の構造は、臼蓋(きゅうがい)という骨盤の窪みに大腿骨の骨頭がはまり込んだ形の関節です。女性は元々関節の受ける方が浅く出来ています。脱臼自体は男性の方が多いのですが、顎関節や先天的な股関節の脱臼では女性の方が多いです。
先天性股関節脱臼の原因としては、お腹の中にいる頃の体勢が悪く骨盤の窪みが浅かったり、逆子出産で足を引っ張られて産まれた場合、股関節が脱臼した状態で産まれてきます。脱臼をしていても痛みはないようです。
診断方法はいくつかあるのですが、赤ちゃんはものが言えないので見逃されてしまい、歩き始める頃に異変に気づいて調べてみると脱臼していたということもあるようです。
赤ちゃんを上向きで寝転ばせ、股関節や太ももをじっくり観察してみてください。ももの付け根や太もものシワ、赤ちゃん特有のM字開脚などの見た目が明らかに左右非対称であれば1度検査をした方がいいかもしれません。
産まれたばかりの赤ちゃんの股関節(臼蓋)は、男児も女児もまだまだ浅いです。成長と共に窪みが深くなり臼蓋に骨頭がしっかりとはまり込んでいき、そう簡単には脱臼しない関節になっていきます。股関節は事故みたいなかなり強い衝撃が加わらないと脱臼したりしません。
赤ちゃんの時期に臼蓋の形成ができていないものを、発育性臼蓋形成不全症(はついくせいきゅうがいけいせいふぜんしょう)と言います。骨盤の窪み(臼蓋)をしっかりと形成させるには、赤ちゃん特有のM字開脚が欠かせません。あの体勢が一番股関節がはまり込む体勢だからです。足を長くしたいからと足を伸ばしたりするのは止めましょう。臼蓋形成不全を起こしやすいのは、寒い時期に産まれた子や寒い地方の子供が多いようです。寒いだろうとタオルや毛布です巻き状態にしてあげたくなるのは親心だと思います。私もしてましたし…。ですが、す巻きにしてしまうと股関節が伸びた状態になってしまいます。なので、赤ちゃんにはM字開脚の状態でいれるようにしてあげましょう。
先天性股関節脱臼で骨盤の窪みが浅くなってしまっていても、早めに見つけて装具を着けることで多くは解消されます。リーメンビューゲルというM字開脚養成ギプスみたいな装具があります。
臼蓋形成不全を起こした方は、大人になってから変形性股関節症になる方が多いようです。先天性股関節脱臼も発育性臼蓋形成不全症も女児に多いので、変形性股関節症になるのも女性に多いです。
大人になって股関節に痛みがあると、動くこともおっくうになってしまいます。赤ちゃんの早い時期に対処することが理想です。そして赤ちゃんにはM字開脚です。