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圧迫骨折
こんにちは。
はる整骨院 院長 相馬です。
高齢者の四大骨折の一つである背骨の圧迫骨折についてお話ししようと思います。
圧迫骨折を起こしやすいところは、胸椎と腰椎の切り替わり部分です。歩いたり走ったりするときに生まれる縦方向の衝撃を分散させるために、背骨はS字状の湾曲しています。背骨の構造上、胸椎と腰椎の移行部は後湾から前湾への切り返し部なので、縦方向の衝撃を集約しやすくなっています。
背骨の構造の他、高齢者に多い理由のもう1つが、骨粗鬆症です。骨粗鬆症は女性に多く、その原因は女性ホルモンの大幅な減少です。閉経を迎えると、骨を強く保っていたエストロゲンというホルモンがほとんど出なくなってしまいます。この為骨が弱くなり、背骨の椎体と呼ばれるところが、縦方向の衝撃で簡単に潰れてしまいます。
高齢者が起こす背骨の圧迫骨折は、骨粗鬆症で骨が弱くなってしまっているので、尻もちをついて転んだり、くしゃみをしただけでも圧迫されて背骨が潰れてしまいます。若い人も圧迫骨折は起こりますが、高いところからの転落や交通事故の様なかなり強い力が加わらなけば圧迫骨折になりません。
圧迫骨折を起こすと、動く度に激痛がおこります。体の中心で支えているものなので、ほとんどの動きに影響されます。そのため圧迫骨折を起こすと寝たきりになってしまう高齢者も少なくありません。
圧迫骨折の治療は保存療法と手術のどちらかになり、保存療法ではコルセットなどで動きを制限して安静にして骨の修復を待ちます。手術では、潰れてしまった背骨に骨セメントと呼ばれる人工の骨を注入し、潰れてしまった背骨を膨らまし固めます。
これらの治療で圧迫骨折の治療をして良くなっても、高齢者の場合は大元の原因になっている骨粗鬆症の治療をしなければ、また別の背骨の圧迫骨折を起こしてしまう可能性が高いです。圧迫骨折だけでなく他の骨折をするリスクも高いので、骨粗鬆症の治療は必要です。
背骨の圧迫骨折は転倒で発生することが多いので、体幹を鍛え体のバランスをとることも重要です。年とともに筋肉が落ちてくるのはしょうがないことです。しかし、筋力の低下を緩やかにすることは可能性です。出来る限りの予防を心がけましょう。