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子供に多い骨折
こんにちは。
はる整骨院 院長 相馬です。
今日は、幼児から小学生くらいまでの子供に多い骨折の話しをしようと思います。
子供の骨折では、肘、鎖骨、手首で骨折する頻度が高いです。まだ骨や筋肉が未発達な子供達はよく転びますね。転んだとき頭などを守るため反射的に手を出します。肘、鎖骨、手首の骨折の多くは、転倒時地面に手をついたときの衝撃で骨折します。これは、大人も同様です。子供の場合、骨が柔らかいので大人のように完全に折れることは少なく、衝撃により骨が曲がってしまいます。骨が曲がってしまうような骨折を若木骨折といいますが、鎖骨や手首は若木骨折の発生が多いです。
肘、鎖骨、手首の骨折の中で1番発生頻度が高いのは肘周囲の骨折です。そして肘周囲の骨折は、鎖骨や手首のような若木骨折でなく、完全に折れる骨折になります。肘関節を構成している上腕骨の下端は、その形から力学的に弱い場合があります。肘の内側と外側の出っ張ったところを、内顆と外顆といい、その上を顆上と呼びます。この顆上での骨折が肘周囲の骨折の中で最多になります。次に外顆骨折、内顆骨折になり、どの骨折も重大な合併症や後遺症、上腕骨の成長障害をおこす可能性が高いです。
顆上骨折では、骨折した際折れた部分から先の骨が内側方向に捻れて骨折してしまうことが多くです。子供の骨折では、自家矯正という力が働きます。大人も自家矯正するのですが、子供の自家矯正力のようにはいきません。若木骨折のように曲がってしまった骨でも固定をして安静にしていれば、骨を真っ直ぐに戻してしまうのですが、捻れには自家矯正力は働かず、骨を正確に元の位置に整復しないと捻れが残ったまま骨がくっついてしまい、将来肘の曲げ伸ばしが上手く出来なくなってしまいます。顆上骨折は、骨折した骨のズレが大きいので肘周囲の血管や神経を傷つけてしまい、前腕から先が特定の形で固まってしまうフォルクマン拘縮という状態になってしまうと、もう元には戻りません。
外顆や内顆の骨折では、骨の成長障害をおこすことが多いです。外顆や内顆の骨折では、骨折箇所が関節の中にまで至ることが多く、関節内での骨折は治りにくいです。関節内は血流が乏しく骨の再生に不利な環境です。そして骨の成長に関与している骨端軟骨も関節付近にあり、骨端軟骨を傷つけてしまうと骨折した場所だけ骨の成長が止まり肘が外側や内側に大きく曲がってしまう成長障害を起こしてしまいます。
子供の肘周囲の骨折はとても恐い骨折です。子供が転んだあとに肘が痛いと泣き続けていたら、様子をみることはせず、すぐに整形外科に連れていき診察してもらいましょう。