ブログ
不全骨折って?
こんにちは。
はる整骨院 院長 相馬です。
骨折には大きく分けて完全骨折と不全骨折があります。完全骨折とは、骨の連続性が失われた骨折…ようはバッキリと折れたものですね。そして不全骨折とは、骨の連続性が保たれている骨折のことで、バッキリ折れてないけど骨に異常な曲がりやひびが入るなどの骨折です。
不全骨折は、高校生くらいまでの若い人に多いです。大人と比べ子供の骨は柔らかく柔軟性に富んでいます。大人の硬い骨ならばバッキリ折れてしまうような衝撃でも子供の骨では折れずに曲がったり、潰れたりする骨折のことです。
大人でも圧迫骨折や亀裂(ひび)骨折の不全骨折を起こしますが、高校生以下の人たちに多く起こる骨折です。
不全骨折には、どのようなものがあるかお話しします。不全骨折といえば、疲労骨折が代表的だと思います。疲労骨折は、大人でも起こしますが、高校生以下のスポーツをしている子供に多いです。骨も筋肉も未発達の子供の体は、走ったり、跳んだりするスポーツの衝撃を分散しきれずに、骨の同じところに衝撃が少しづつ蓄積され、いつか骨に微細な亀裂が入ります。これが疲労骨折です。
小学生から幼児までで多い不全骨折に、若木骨折、竹節状骨折というものがあります。肘から手首の間にある骨や鎖骨に起こりやすい骨折です。子供の骨は柔軟性に富んでいます。折ろうとしても折れずに曲がるだけの若木のような骨折なので若木骨折と言います。大人なら折れる衝撃でも、子供の骨は柔らかいので折れずに曲がってしまいます。若木骨折は、体のやや前に手をついて転んでしまった時に腕の骨や鎖骨に衝撃が伝わり曲がってしまいます。
もう1つの竹節状骨折は、手を真下ついて転んだ時に起きやすい骨折です。手をついた時、自分の体重が上から乗ってしまい、下からは地面に手をついた衝撃が伝わって来ます。上下からの衝撃がぶつかったところで、骨が竹の節のようにボコッと飛び出します。その名の通り竹の節のような骨折なので竹節状骨折です。
皆さんは骨折って痛いってイメージありませんか?しかし、若木骨折や竹節状骨折はあまり痛くないし、あまり腫れません。それはなぜか…骨には神経が通っていないので骨が痛いということはないのです。じゃあどこが痛みを感じているのでしょう?それは、骨の周りを覆っている骨膜なんです。骨膜には神経が豊富に存在します。骨折と一緒に骨膜に損傷を受けると、激痛を感じます。しかし、子供の骨膜は大人よりも厚く丈夫なので、骨膜への損傷が少なく痛みがあまりありません。
若木骨折や竹節状骨折は、バッキリ折れている訳ではないのでちゃんと固定をして安静にしていれば、比較的早く治癒します。リモデリングといって骨を元の状態にしていく体の作用があるのですが、子供のリモデリングは強いので少々の曲がりならば固定をして放っておけば真っ直ぐになります。治癒力も高く、骨折でも大人の1.5倍くらいの早さで治っていきます。子供…おそるべしですね。
放っておいて良いといってもそれは治療の話しなので、様子がおかしければ整形外科で1度診てももらいましょう。後遺症を残す様な場所で不全骨折を起こしている可能性もあるので、しっかり診てもらってください。